プレゼント



















『遠いよね・・・中学生には・・・』





恋人の元へ向かう電車の中、佐伯は心の中で呟いた















「サエ・・」

電車から降りるとホームには綺麗に微笑む可愛い恋人が待っていた。





「周助・・どうしたの?こんなとこで」





「ん・・・待ちきれなくって、定期あるから中で待ってようって・・・」

恥ずかしそうに言う不二が可愛くて仕方なくて、佐伯は満面の笑みを見せながら





「ありがとう、すごく嬉しいよ」と言った











ジャニーズ顔負けな程の美少年佐伯と私服姿でどっからみても可愛い女の子な不二の二人が

歩く姿は周囲の視線を惹きつける。

茶髪で色白で華奢な不二の綺麗な微笑みと爽やかな佐伯の微笑みはなおのこと。





CDに本に・・・と一通り見て回って、お気に入りの物を手にしながら佐伯は



「ちょっとお茶でもしようか」と言ってケーキが評判のお店が出しているカフェに不二を連れて入った











「クスクス・・・・」





「どうかした?」目の前でケーキを口に入れた後、フォークを加えたまま楽しげに笑う不二に

佐伯が尋ねた。





「だってさ・・・みんな見てるんだもの・・・可笑しくって」





「え?」





「サエが格好いいから・・・」と不二が言った





「ふぅ・・っ」溜息をついてから佐伯は

「違うよ、それ。周助が可愛いからみんな見てるんだよ。そゆことに関しては

 ほんと鈍いよね。」今度は佐伯が面白そうに笑った





「え〜〜。そんなことないよ。それに僕は女の子じゃないから可愛いって思われても

 全然嬉しくないよ。。」少し拗ねたように言いながら不二がケーキをパクリと口にした





『ほら・・・その仕草・・・すっごい可愛いんだけど・・』佐伯はそう心の中で呟いてから

思い出したかのように椅子に置いてあったジャケットのポケットから掌くらいの大きさの包みを

取り出して「これ・・・」と言って不二に渡した





「え?」





「周助に・・」





「なんで・・・いつも・・・悪いよ・・・」

会うたびにこうして佐伯が自分になにかプレゼントを用意してくれていることを

不二は嬉しくもあり、申し訳なく思っていた





「だって、僕達まだ中学生だろ?こんな毎回・・大変じゃない?それに僕・・

 何も用意してないし・・」





「俺はいいの・・・周助が嫌じゃないなら貰ってよ」佐伯は屈託なく微笑む





「いやじゃないけど・・・嬉しいよ。けど・・」





「中学生だから・・・遠いだろ?」遠慮する不二に佐伯が言った





「え?」





「ほら、車に乗れるわけでもないしさ、部活だってあるじゃん。

 会いたくてもなかなか会えないだろ?」





「うん」





「だからさ・・なんかたまに溢れそうになるんだよ・・気持ちが・・

 そんなときにさ、周助のいろんなこと思い出しながらプレゼント選ぶと、不思議に落ち着くんだよ。

 変かもしれないけどね・・」そう言って佐伯は恥ずかしそうに微笑んだ





「サエ・・・」





「それにさ、周助って絶対ちゃんと俺のあげたもの部屋に飾ったり、使ってくれるだろ?

 だから目とか手に触れるたんびに俺のこと思い出してくれるかな〜って思うわけ」





「・・・何もなくってもサエのことはしょっちゅう考えてるよ」





「ありがとう、でも俺って欲張りだからもっと。。。って思うんだよ」





ニコリと佐伯に微笑まれてつられて不二も笑った





「じゃあ僕も今度何かお返しするね。」という不二に





「いいよ。俺はもうすっごいの貰ってるから」と佐伯が言った





「え?」





「ほら・・周助と出会えたこと。その周助が俺の恋人だってこと」





「サ・・・サエ・・」





だからいいの。と微笑む佐伯に





「あのね・・・」と不二が話かけた





「何?」





「住んでるところは離れてても・・僕の気持ちはいつもサエと一緒だからね・・・」

愛くるしい目で一生懸命に想いを伝えようとしてる不二に佐伯は愛しさがこみ上げたのだった





「うん・・・俺も」













そして佐伯は思った。

目に見える物でも見えない物でもプレゼントでいっぱいにしてあげる。

いつか一緒に暮らす日がくるまで・・・






















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