香水
「甘いな・・・・」
「え?」
休日の朝・・・
『おはよう手塚オオカミ君。
今日誰も居なくてさ、
知ってる?うさぎって寂しいと死んじゃうってこと。
どうにかしてくれないかな?
君がだめなら他を当たろうかな。
返事は直ぐ欲しいって、周助ウサギから伝言だよ』
ハッキリ言ってたまには寝坊でもしてやろうと思っていた手塚は
不二のこのメールで朝の6時に起こされたのだ。
しかも内容が内容なだけに、無視して寝るわけにもいかず
とりあえず体を起こして画面を睨みつけて、溜息を一つついてから
『朝食を済ませたら
スグに行くから
待っていろと伝えてくれ』
と返信をしてからゆっくりとベッドから起き上がり、着替えをすませて
台所にいる母に「あら、お休みなのに今日もはやいのね」と声をかけられ
「約束がありますから・・」と食事を済ませて不二の家へ来ていたのだった。
満面の笑みの不二に迎え入れられ、リビングのソファでコーヒーを口にしながら
朝読めなかった新聞を読む手塚に不二が後ろから抱き付いてきたときに
手塚の鼻先をいつもの不二とは違う甘い香りがくすぐったのだ・・・
「いや・・・なんでもない」
手塚はそう言いながら視線は新聞を向いたままだった
「クスっ・・・」不二は笑って手塚の首にそっとキスをした
「おい・・・」ピクリと反応しながら手塚が低い声で言った
眉間に多数寄っているであろう手塚の皺を想像しながら不二はフッっと微笑んでから
「POISON・・・だよ」と言った
「ん?・・・・・毒・・・・か?」と言う手塚に
「みたいに甘いだろ?」と不二が言った
「香水か・・」
「姉さんの・・・ちょっと拝借しちゃった・・」
いたずらっ子のように少し舌を出して微笑む不二に
「まったく・・お前は・・・」と手塚は優しく微笑んだ
「いいだろ?たまには」
と身を乗り出して軽くキスをした不二に
「悪くはないが・・・・」と手塚が言った
「何?」
「これでは甘過ぎるぞ・・・・」
「え?」
「ただでさえ・・・お前のキスは甘い・・・・」
少し頬を赤らめながら新聞から視線を外さずに言う手塚に
不二は嬉しそうに微笑んでぎゅっとしがみついた
「手塚っ!」
そんな不二の反応に手塚はふっと苦笑いしながら
心の中で
「毒のように甘い香水よりも
いつものお前の・・・そのままの香りが
何よりも俺を虜にし・・・
そして時に俺を狂わせる・・・・」
と呟いたのだった・・・・
ブラウザの「戻る」でbackしてください