千不二de最遊記(悟浄×八戒)C

















千石が出て行ったのを感じながら、不二は勢いのまま、ベッドにもぐりこんで、

『夜が明けるまでだ・・・』と自分に言い聞かせながら眠りについたのだった。














「お前は俺に何を言って欲しい?」

すったもんだと埒の明かない会話を続けて、最後に、手塚が盛大なため息と一緒に

不二に告げた一言・・・






「・・・別に・・・僕はただ・・・」突き放されたような目で言う不二に


「なんだ?」手塚は、はっきりとした口調で言った。


「・・・」黙り込んで不二は俯いた。大人げなく、まったく子供じみた行動なのは、

自分が一番分かっている・・・




言って欲しいけど言って欲しくない言葉・・・聞きたくなくて、でも、これ以上、

彼を待つのが辛くて・・・手塚に救いを求めるように、逃げ込んできたのは十分に

分かっていた。



ふっと手塚は、そんな不二をみて、仕方ないように息をついてから。

「家に帰りたくないのか、帰れないのか。それは俺には分からん。帰れんのなら、

それなりの理由が外にあるからだろうし、帰らんのなら、それなりの理由が、

家にあるからだろう」と、言った。







そして、俯いたまま、「そうだよね・・・」と不二はポツリと呟いたのだった。







避けられている。
確かに・・・

でもなぜ?





そして、なぜそれが辛い?
彼に何を求めている?
期待してる?






自分は・・・

あの日、愛していた人を失って・・・・

何もかもを捨てたつもりだったのに。

命を拾われ、それを手放すことを禁じられた。

失った目も再び義眼だが与えられ、閉じた瞼を開くことができた。








自分に残ったのは、大きな腹の傷と、人間で無くなった体。

そして自分の前で、妖怪達に陵辱されたと告白し、その子を腹に抱えたまま、

自害していったあの人に対する後ろめたさ・・・

それだけだったはず・・・









無のまま生きるつもりが

手塚の強さを垣間見、千石の温かさに触れ

望んではいけないはずの、幸せというものを無意識のうちで追い求めてしまう。









どうしたいのか?
どうなりたいのか?









徐々に眠りが冷めていく・・・

弱く脆い自分に決別し、再び自分を律し、戒めとともに生きることを決意する日に、

不二はゆっくりと覚醒をしていった。






「起きなきゃ・・・」

せめて、最後に、千石の好きなものでも作って、きちんと部屋を片付けて、

ちゃんと心からの礼と、別れを告げて・・・

不二は、いつもより重く感じる体をゆっくりと起こしていった。

とにかく、シャワーでも浴びようと・・・











と、部屋のドアを突然、蹴破られ、部屋の真ん中で唖然としたまま立ち止まったのだった。







「え?」




そこには、思いつめたような顔で、千石が立っていた。







「不二・・・」





















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