my best friend
高等部の入学式の前の晩、
風呂から上がって、ベッドに寝転んでた俺の頭をふっとよぎったものがあった。
「一人でしなくちゃいけないことだから・・・」
跡部に送られて登校してきた日に不二が口にした言葉。
俺はその時はあんまり深く考えなかった。
だって、それまで何か悩んでるみたいだった不二がその朝は
すごく自然に笑っていたから。
不二にとっていいことなんだろう・・・って思った
俺達3年は、引退してからも暫くは皆でマメに部活にも顔出したりしてた。
手塚は生徒会の仕事や留学のためのなんかかんかで忙しくなってくるし
不二は不二で恋人の跡部がしょっちゅー迎えに来て、とっとと帰っちゃうし
それまで、一日の殆どを一緒に過ごしてきた俺たちが、
一日の殆どを皆バラバラに過ごすようになって
ゆっくり話ししたりする時間がなくなっていってた。
その頃からだったかな・・・不二が張り付いた笑い顔するのが増えたって
感じるようになったのは・・・
俺も伊達に3年間、不二にぴったり張り付いて見てきた訳じゃないしね・・
昼休みに弁当たべながらそれとなく聞いても
「何でもないよ。心配性だな・・・英二」って相変わらずの笑顔で不二は答えるだけで・・
後で不二が高校は氷帝へ行くって聞いて、悩みの原因がそのことだったんだって
はじめて分かった。
ちょっと冷静に考えれば、至極納得のいく結論なんだけど、
その時俺は随分不二に詰め寄ってしまって・・・
あの時の不二の泣きそうな顔・・・忘れられないよ・・・
不二はあの時「ごめん」としか言わなかったけど
本当は俺の方こそ「ごめんな」って・・・思ってる
不二が恋人の跡部がいる氷帝を選ぶのは当然のこと・・・
けど俺は・・・なんか俺たちの3年間が凄い寂しく感じて仕方なかった。
俺たちと過ごしたことよりも跡部のほうがいいのかって・・・
嫉妬してたんだ
けど卒業式の2日前に部活のいつものメンバーで集まって
不二んちでお別れ会やったときに、不二がどれだけ悩んで、どんな思いで決心したかを聞いて
俺はそれが一番良かったんだって心の底から不二に言ってやれた。
それから寂しくなるねって二人で随分泣いちゃって
大石とか手塚が慌ててたっけ・・・
そんな中でも乾はなんかノートにメモってたけどな。。。
あいつ・・・いつか乾には菊丸タックルの不意打ちを食らわしてやんなきゃ。。。
別の高校へ行ったからって、親友じゃなくなるわけじゃないしな・・・
そりゃあ今までみたいに不二に会えなくなるのはすげー寂しいけど
けど俺の大好きな不二が心から笑っていられんのなら
それが一番だって。。。思う。
跡部はホント俺様で高慢ちきで、高飛車で偉そうで
嫌味なくらいブルジョアで、悔しいくらい男前でテニスも強いけど
不二にはぞっこんラブラブで頭が上がらないって感じ。
あの跡べー語も不二には効果ないみたいだし
ざまーみろだ。
俺を「猫ヤロー」って呼ぶのやめろっつーの!
不二の恋人だからがまんしてやってっけど・・・
不二を泣かすようなことしたら絶対許さないんだかんな!
今まで不二がどんな奴と付き合っても・・
あの手塚と付き合ってた時でも俺は結構余裕だったんだけど
自分の手元から離れるとなると話は違ってくるんだよな・・・
不二とは入学式以来ずっと同じクラスで、同じ部で
この3年間じゃ、俺が一番不二と一緒の時間が多いって思ってる。
なんか不二ってば、つかみ所ないんだけどさ・・
すっごく可愛くって、優しくって、スタイルよくて、上品で、運動神経もよくって、
頭も手塚と張り合うくらいいいし、テニスも上手いし、
何よりどんな女の子も敵わないってくらい綺麗で・・・・
不二の華奢な体も白くて綺麗な肌もサラサラの栗色の髪も青い目も
見てるだけでぎゅってしたくなるくらい。
俺ってば自分はノーマルなはずなのに・・
とうとうカミングアウトしちゃうのかなって
真剣に悩みそうになるくらいだけど男を好きとかじゃなくて、
不二が好き。
これはきっと他の連中もそうなんだって思う。
3年間俺の心の一部だった不二
俺を優しく包んでくれた不二
俺の心の中の恋人だった不二
たくさんの時間を過ごして
一緒に泣いて、笑って、怒って
たくさんの思い出を一緒に作った
俺のかけがえのない親友・・・不二
不二のいないこれからはちょっと想像つかないけど
でも「英二はいつまでも僕の親友だよ」って
不二が言ってくれたから、だから頑張れるよ。俺・・・
俺が引退したのは不二のチームメイト
俺が卒業したのは不二のクラスメイト
けど俺たちはこれからも変わらず、ずっとずっと親友。
これからも
ずっと
ずっと
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