シャム双生児


















「あのさ・・・」



「ん?」





休日、跡部の部屋で、ソファにどっぷりと埋もれるように体を預けながら、

読書をしていた不二が、床に敷かれたファーの上に座り、そのソファにもたれて、

同じように読書をしていた跡部にポツリと話しかけた。







「僕らの巡り合わせってさ・・・フツーじゃないよね」





「はぁ?」

いつものように、突拍子もない質問を投げかけかけられて、跡部が発した声は、

少し高めのものだった。





「お前、また・・・頭沸かせてんじゃねぇよ」

読みかけの本から顔を上げ、半ば振り返るような体勢で、跡部が不二に言った。





「頭沸かせるって・・・酷いなぁ」

不二も本から目を離し、苦笑いしながら、笑ってない目で跡部を





「まぁ、お前が突拍子もねぇこと口走るのはに、いつものことだけどよぉ・・・」

と跡部は、苦笑いしながら不二に言った。





「素朴な疑問さ」





「はいはい」





「跡部もそう思わないか?」





「ん?普通じゃねぇってか?」





「っていうか、なんか運命的っていうかさ・・」





「まぁな・・」





「だってさ、生まれた年も時間も場所も違うのに・・・」





「違うのに・・何だ?」





「僕は君がいないと生きていけないくらい、君が好きで大切に想ってる」

少し上から見下ろすように言う不二の顔は、いつものあどけなさはなく、

大人の艶を含んでいて、跡部はゾクリとした。





「お前が俺なしで生きていけねぇってのと同じで、俺もお前がいなけりゃ

生きていけねぇよ」





「跡部・・・」

そう言って不二は、体を乗り出して跡部に抱きついた。





「不二・・・」

跡部は呟いて、そっと不二の背に手を回して、ぎゅっと抱きしめる。





「こうして体が引っ付いてると、凄く落ち着く・・・っていうか満たされる」

跡部の胸の中で、不二はポツリと呟いた。



その声はとても幸せそうで、跡部にとっても、心地よく聞えた。



「あぁ・・だったらずっとこうしてりゃいい」



「うん」





跡部も、自分の腕の中の不二の体温や鼓動を感じて、心がたちまち満たされていく

感覚に浸っていた。







「僕らの心って、まるでシャム双生児みたいだな」

不二がクスリと小さく笑って呟いた。





「あぁ・・・どっかが、くっついってんだろうよ・・」





「そうだね・・・もし、離されたら、僕は死んでしまうよ。きっと」





「なら俺もだ・・・」





「生まれた時から、そうだったのかな」





「多分な・・」





「離さないで・・・僕の心を・・・君の心から」





「生きていけねぇから(俺も)・・・そんなことはしねぇよ・・・・心配すんな」





そう言って、跡部は優しく微笑んで、不二に被さるように口付けを下ろしていった。
































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