僕ら、まだまだ子供です
















「「「「最初は、グーっ!ジャンケン、ホイッ!」」」」





「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」





「ジャンケン、ホイッ!」	





「グ・リ・コ」















「何だよ!それ!グミじゃねぇのか!」向日が言う





「ええねん。大阪ルールっちゅーことでな、グーはグリコで3つ進むや」

と忍足が答えた。





「別にいいけどさ・・・」と、納得いったような、いかないような顔で、向日が言った。




「じゃ、俺も、今日のところは、大阪ルールにしとくぜ」

便乗だと、宍戸も3つ進んだ。





そして、再びジャンケンから繰り返される・・・








決戦を制したのは、チョキを高々と掲げて、最上階に足を置いた不二だった。



「あ・が・り」と、ニンマリ笑う不二に



「やっぱ、不二は、何やっても凄いね〜、さすが!」とジローが言った。





「人のこと言ってないでさ・・・ジロちゃん、がんばらないと・・」

と言った不二に





「あ。そうだった」と、一番出遅れている状態のジローが、肩をすくめた。





残った面子で、再び手を上げて、ジャンケンをしようとしたその時・・・








「をい・・・テメーら何やってんだよ」

階下から、静かに、一段抜かしをしながら、眉間に皺を寄せた跡部が、

上がってきたのだった。








「何って、ジャンケン・チョコレートやん」と忍足が答えた。








「んなこたぁ、見りゃぁわかるんだよ。っつーか、何でやってんだよ」

跡部が、忍足を通り過ごしながら言った。




「賭けとんねん」





「はぁ?」素っ頓狂な声を上げ、忍足の方へ振り向いた跡部に





「負けた人が、部活の後、残りの人にアイスを奢るんだよ」

と、階上から不二が説明した。





「ガキかよ!!テメーら」再び、上を向いて、跡部は、呆れたように声を上げた。





「いいじゃん。楽しいんだし」と、口を尖らせて言ったのは、向日。





「ちなみに、一抜けは、僕」と言う不二に





「自慢すんな!バカ」と、跡部が言った。





「ひどいなぁ・・・結構、白熱したゲームだったのに」苦笑いしながら、不二は

肩をすくめた。







「ったく・・・生徒会室に、3号館の階段で、大声上げて遊んでるバカがいるって・・・

来てみたらよ・・・テメーらかよ」

跡部は、額に手をあてて、あきれ果てたように言った。





「さっきの奴らじゃねーのか?チクリやがったのかよ・・・汚ったねぇな!」と言う向日に





「そーゆー問題じゃねぇっつんだよ!!」と跡部が怒鳴った。





「はいはい・・」と、忍足が、宥めるように言うと、





「ま、とりあえず行こうよ、勝負もついたことだし」と、不二が皆を促した。





「せやな。おい、ジロー、分かってるやろな」と言う忍足に





「悔C−!。けどまぁ、不二に買ってくるついでに、買ってきてやるよ」





「なんだよ!!そのついでって!」





「そのへんにしときって・・・岳人」





「とにかくよ・・・とっとと、教室に帰れよ」と、跡部が皆に言って踝を返した。

その横を、階上から降りてきた不二が、付いていくのだった。













「珍しいね。君が直々なんてさ・・・」クスっと笑う不二に



「お前さ・・・忘れてんだろ?」と、溜息混じりに、跡部が言った。



「へ?」



「資料の訂正だ・・・昼休みにするっつただろ?」





「・・・・・・・あーーーっ!ごめん・・・・」不二が声を上げた。





「やっぱりな・・」跡部は、がっくしと、不二を見て言ってから、


「で?ガキみてぇなことやってたのかよ・・・」と続けた。





「いや・・・今日は、お弁当の時に。こっちに来なかっただろ?

で、なんかジロちゃんたちと、盛り上がっちゃってさ・・・」





「ったく・・・こっちは、お前が来るまでにってよ、部活の仕事終わらせるのに、

慌食ってたっつーのに、待ってたってお前は来ねぇし、挙句に、

バカ騒ぎの通報、聞かされるハメになるしよ・・・」




「で、来てみたら、僕たちだったって?」



「あぁ・・・・ったく、冗談じゃねぇっつーの」



「申し訳なかったね」すまなさそうに言う不二に



「今日は、うち帰ってやるからな、ついて来いよ」と跡部が言った。




「ん・・・」





「で?お前、どーして止まってんだよ」

と、階段の一段目で、降りずに立ち止まったままの不二に、跡部が言った。





「ん・・・この差がさ・・・僕と君の逆転って感じで・・」



「勘弁してくれ・・・ガキじゃあるまいし」

跡部は、頭を抱えて呟くのだった。



「いいじゃん・・・」



「そんなに、俺より高くなりてぇのかよ」




「違うよ・・・たまにこうやって、階段を下りるときにさ・・・

君が下の方に見えて、あ・・僕は、何時も君に、こんな風に

見られてるんだなぁっていうのも思い出して、ちょっと感動してたんだよ」




「相変わらず、意味ねぇことで感動すンだな」




「悪かったね」



「ま、お前らしくっていいけどよ」前を向いて、歩きながら跡部が言った。



「僕らしいって?」と、回りこんで覗き込むように言う不二に



「訳分かんねぇけど、可愛いってこと」と、跡部がつっけんどうに答えた。





フフッと、不二は嬉しそうに微笑んで、跡部の横にぴたりと並んで歩いた。





跡部は、不二の頭をクシャっとしてから、



顔を見合わせて、ふっと笑って、



二人は、教室へ向かって歩いていった。










その頃、先に教室に戻った忍足は


「おっそいなぁ・・・」と、廊下を気にしていたのだった・・・・



















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