変わらぬ想い-7-


















「んんっ・・」

体のあちこちがきしむような感覚を覚えながら不二が意識を覚醒させ、瞳を開けると

目の前に優しく微笑みながらそっと髪を梳いている跡部がいた。





「悪りぃ・・・辛いか?」

気まずそうに、すまなさそうに跡部が不二に言った。





「うぅん・・・・幸せ・・・・だよ」跡部の胸に不二が顔を埋めた。





「その・・・何も付けてなかったし・・・」





「・・・そうだったね・・・」





「余裕なかった・・・」





「クスっ・・・景吾が?」





「あぁ・・・けど・・・」





「責任取るから」





「え?」






「どうなったって、お前を離さない。幸せにする」





「景吾・・・」





「起きれるか?」





「ん・・・・きついかも・・・」





「このまま寝かせといてやりてぇけど、帰国早々朝帰りはマズくねぇ?」苦笑いしながら言う跡部に





「だね・・・」と言ってからゆっくり不二は体を起こした。





「ィててっ・・・」不二は制服を身に着けながらつい口にしてしまう





「無理すんなよ・・・って俺が言えた義理じゃねぇけど・・・」





「いいよ。気にしないで・・・それより・・・体・・・拭いててくれてありがとう・・」

恥ずかしそうに不二が言った





「あ・・・いいって・・・」珍しく恥ずかしそうに跡部が答えた











不二を支えるように階段を下りた跡部は玄関先で出先から帰宅してきた両親に会った。





「あら、周ちゃん。帰ってきてたの?」





「あ・・はい。今日から。。。景吾くんと同じ氷帝でお世話になるんです」





「まぁ・・・そうなの!よかったじゃない!景吾」





「うっせーな」





「で?早速ご招待してたのか?ん?」と含みのある微笑を父親に向けられて

跡部は観念したかのように真摯な顔つきで、両親に向かって





「俺・・・コイツと結婚するから」

と言った





「えっ!」目を大きく開いて突然の跡部の爆弾発言に不二は固まっていた





「ふふふ・・・周ちゃんは?いいのかしら?景吾みたいので?」

嬉しそうに微笑む跡部の母に





「あ・・いえ。。その。。。僕のほうこそ。。。」





顔を真っ赤にして俯く不二をみて

「クスクス・・・ほんと景吾には勿体無い。可愛いわね・・」と跡部の母が言った





跡部の父はそんな様子を目を細めて微笑んで見ていた。





もともと不二家と跡部家は仲が良かったのもあって、同じ年の子供同士の将来を望んでいたのは

少なからずあったから・・















「いきなり何言ってんのよ・・・びっくりするでしょ?」





「いいじゃねぇか・・・責任取るって言っただろ?」





「だって・・・こんな突然・・・」





「はぁ?お前はいやだったのかよ」





「そんなわけないでしょ」





「ならいいだろ」





「もぉ・・・景吾らしいね・・」





「うっせーよ」





そんな会話を交わしながら少し先の不二家までの道のりを二人は歩いた

















「帰国早々すみませんでした」

リビングでソファの向いに座る不二の両親と由美子の前で跡部は頭を下げて言った





「あらあら・・・いいのよ」と不二の母は微笑んで言った





と、突然跡部はテーブルに手をついて

「突然ですみませんが・・・周と・・周さんと・・・結婚を前提に付き合うことを

 承諾してください。皆さんから見ればまだ子供かもしれません。けど・・・

 真剣なんです。絶対幸せにするって誓いますから」と言って深々と頭を下げた





突然の爆弾発言に和やかな雰囲気は木っ端微塵に吹っ飛んで、

由美子は飲みかけの紅茶を噴きそうになるし、母の淑子は口をぽかんと開けたまま暫しフリーズ。

父は腕を組んで「むぅ・・・」と唸った

不二はもうさっきからの急展開に言葉もなく顔を上げられない状態で・・・

暫く時計の音だけが室内に響き渡った











「いつまでも子供だと思っていたが・・・・」暫くの静寂を破って不二の父が言葉を紡ぎ始めた

「頭をあげなさい・・景吾君」





声をかけられて跡部はゆっくり頭を上げた

目の前の不二の父は真剣な眼差しだったが柔らかな顔をしていた





「周は?お前はこの景吾君の真剣な思いに答える心の準備はできているのか?」



父にそう言葉をかけられて不二はゆっくりと顔を上げて目の前の家族に向き合って



「中途半端な気持ちじゃなくて、僕はずっと景吾のことが好きだったから

 そう言ってくれる景吾の気持ちに精一杯答えたいって思う。

 ずっと一緒にいたいのは景吾しか考えられないよ・・」と言った





「ふぅ・・・」と溜息をついてから

「ま、いろんなことがあるだろうけどな・・・今の自分の気持ちを忘れずにな・・・

 こんな娘だが・・私達にとってはかけがえのない大切な娘だ・・・

 大切にしてやって欲しい・・・」



「はい・・・かならず」男同士の誓いか・・跡部は不二の父の目をじっとみつめて答えた





「あらあら・・・・由美子・・・大変ねぇ・・・周に先こされちゃうわよ」

とのんきに呟く母に



「もぉ・・・よしてよ・・母さん」由美子が苦笑いしながら言った





















ブラウザの「戻る」でbackしてください