変わらぬ想い-2-
1年の秋だった・・・・
「なんかさ、スゲー美人の編入生が入るみたいだぜ」
「え?マジかよ・・何年だ?」
「そこまでは、分かんないけどさ、さっき職員室の前通りかかった時に
チラッと見えたんだよ・・・どっかで見たような・・・
けど、スゲー美人だったのは確かだぜ」
そんな会話を小耳に挟んだ忍足は、一緒に居る跡部に
「なぁ〜、どんな子やろなー」と話かけた。
「興味ねぇよ」跡部は、素っ気なく答える。
「なんでーや、興味沸かへんか?別嬪らしいで?」
「うっせーよ」
「まぁ・・お前は面食いやからな・・・しょーがないか・・」
と、忍足は納得したように呟いてから
「せやけど、この時期にって・・・中途半端やなぁ。学年の途中に、
さっと入れるくらい、ここ(氷帝)は簡単ちゃうもんなぁ・・・
あ・・・そおか・・・帰国子女か。。。」
と、いろいろ考えながら、自分で自分に納得していた。
「俺達には、関係ねぇよ」忍足の言葉を聞いて、吐き捨てるように跡部が言った。
「まぁな・・・編入とか帰国子女で、ここの特進クラスに入れる奴は、まずおらんからな〜
男ばっかりのもっさい特進なんかやめて、女の子の多い普通科にしとけばよかったなぁ・・・」
と忍足が愚痴をこぼした。
「後で、岳人かジローあたりに聞いとこ♪」
跡部と忍足と宍戸は、2クラスある特進クラスに在籍していて、他のメンバー達は9クラスある普通科だった。
とはいっても、普通科でも、氷帝のそれは他の学校に比べると、格段にレベルが高い。
「めでてぇ奴だな」跡部は呆れたように言った。
「なんかオモロイことでもないと、アホらしいてやってられんやん・・・
高校に上がってから、勉強も部活も拍車かけてきつなっとるし、
お前みたいに、親衛隊できるほど女の取り巻きもおらんしなぁ・・・」
「くだらねぇ・・・うぜぇだけだぜ・・・・」
跡部は、学校の内外問わず、自分に付きまとう女子生徒達のことを思い出して、
うんざりと言った溜息をつきながら、心底嫌そうに言った。
そして、始業の鐘が鳴り、それぞれが席に着いた氷帝高校特進クラス、1年A組にざわめきが起こった。
「皆、紹介しよう。今日からこのクラスに編入してきた不二君だ」
「さ、不二君、入りたまえ」
担任に促されて教室に入ってきた少女は、身長170cm弱で細い華奢な体に、すらりと伸びた長い手足、
少し日に焼けた感じもあるが、キメの細かい透き通るような肌をしていて、
薄茶色の髪は肩にかかるかどうかくらいの長さで、整った綺麗な顔をしていた。
華奢と言っても、出るところは十分すぎるくらい出ている、文句のつけようもないほどのスタイルで、
品のある微笑を湛えた超絶美人だった。
クラスの男子はもう、騒ぐどころか、あまりの美しさに絶句&フリーズ状態で・・・
数少ない女子達は、ファッション雑誌を抜き出たようなモデルばりの存在感に
ただただ、溜息をこぼしていた。
不二・・・・ん?・・・・机に伏せてウトウトしかけていた跡部は、その名から連想される
ある人物を思い浮かべていた。
静かな教室に少女の声が響いた
「はじめまして。不二 周です。よろしくお願いします」
聞き覚えのある声に、跡部はふっと顔を隣の忍足の方へ向けてみると、
忍足も、鳩が豆鉄砲を食らったように驚いて、言葉もでないような状態だったのを見て、
ゆっくりと顔を、正面のほうへ向けた。
と、クラスの静寂を打ち破る想像も付かない絶叫が、一番後ろの席に座っていた
跡部と忍足の二人から起こったのだった。。。。
「ふっ!不二やんか!!」
「周!てめーーーーっ!」
ガタンと椅子をひっくり返し、物凄い勢いで、いつも沈着冷静な二人が、揃って立ち上がっていた。
今度は、クラスの注目が二人に注がれる・・・
「やぁ。侑士に景吾」不二がニッコリ微笑んで、二人に手を振った。
「おい、跡部、忍足」担任が普段、絶対あり得ない二人の反応を見て、苦笑いをしながら言った。
「知ってる者もいると思うが、不二は、青学テニス部から語学とテニスの為に
アメリカで1年間の留学を終えて、昨日、帰国してきたところだ。
留学先が丁度、ここの姉妹校だったこともあって、本人の希望で成績等からも
このクラスへの編入が決まった。皆。仲良くしてやってくれ、
あ、跡部は不二とはご近所なんだったな」
最後の一言で、クラスの男子からの挑戦的な視線が、一斉に跡部に向けられた。
丁度、忍足とは反対側の席が空いているということで、
不二は、跡部の隣の席に座ることになったのだった・・・
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