我が家の事情 跡部家の場合***オマケ***



















「・・・・・・あぁ・・もぉっ・・・・」



「わーわーママーーしゅごーしゅごー」



「えっ・・・ジロちゃん?ママちっとも凄くないんだよ。やられちゃったから・・・」











キャッキャッキャ











「むぅ・・・・・」『聞いちゃいないし・・・』



「しゃーないって、ジローにはそこまで分からんわ」

笑う侑士に



「ん・・・けどさ・・・これで喜ばれてもね・・・」



「ちょっと貸してみ?」



「うん・・・」



周からコントローラーを受け取ると侑士は着々と面をクリアーしていった。



「すごい・・・・侑士」



「俺はフツーやで?岳人とかはもっと凄いもん」



「今日日の中学生は凄いや・・・」

感心しながら、しきりに周は一人頷いていた。



「ねぇねぇ、長太郎も?できるの?」



「ん・・・僕はそれより、ピアノとか弾いてる方がすきだから」



「あぁ・・・そうだね・・・」



「母さんも、あまり頑張ると目が悪くなるよ」



「そっか・・・気をつけないとね」













『どっちが親だよ』

リビングで新聞を読んでいた跡部は、心の中で呟きながら

いつまでたっても見た目も中身も可愛く幼い妻と、

すっかり自分をも凌ぐ高レベルの親父度を発揮してる中2の長男と、

そんな連中を掌に乗せて転がしながら巧みに手綱を操る小6の次男と、

よくはしゃぎよく寝る2歳児の三男のやりとりを眺めていた













「うわぁ〜〜、ゆぅにぃしゅごーしゅごー」



「そぉか?ジロー、そない思うか?」



「うんうん」



「そぉか〜、ええ子やなー」と侑士はジローの頭を撫でながらぷにぷにのぽっぺをつんつんしていた。





キャッキャッキャッキャ







「なんかそうしてるの見てると、侑士っていいパパになりそうだね」と周は嬉しそうに呟いた。







「そおかな?」と言う侑士に



「うん・・・・それに長太郎は、すっごくいいダンナ様になりそう・・・」

ふふっと超絶ラブリーな笑顔で見つめられて、長太郎は顔を真っ赤にして俯いた。

頭の中を周が口にした『ダンナ様』のフレーズがエンドレスリピートする・・・















そしてそんな和やかな一角とは相容れない空間が・・・・

そう

リビングで広がっていた。









『テメーら・・・・好き勝手にほざきやがって・・・・いい度胸じゃねぇか・・・・』









額に青筋、眉間に海溝よりも深い皺、不機嫌オーラレベルマックスで

手をプルプル震わせながら、跡部は読みもしていない新聞を



睨んでいた。



いや



睨みつけていた。













「ふふっ、そうなると景吾はほんと凄いよね」











「「「え?」」」









「僕にとって、最高のダンナ様だし、みんなにとっても、最高のパパだもん」

うっとり景吾に見とれる周に









『俺らにとって最高の親父では絶対ないはずや!!』なんてツッコミがいれられるはずもなく



息子たちは唖然と母を見るのだった



『あの親父を、最高とのたまうそのあなたの神経が・・・・』











「ね?景吾。僕はとっても幸せっ」



ふふっと



火星の氷も溶かして生命を誕生させてしまいそうな、メロメロビームの視線に

父、跡部景吾の理性は木っ端微塵・・・ミジンコよりも小さな粒になって遥か宇宙の彼方に

飛び去っていってしまった。













『あかんっ!』



『うわっ!』



「俺らこいつ公園連れて行ってくるわ!!」



周が放った最終兵器。防御無視のその威力は絶大かつ絶対でロックオンされたターゲットは撃墜必至。

間違いなく確実にハートを鷲づかみされるのだ・・・



それはたとえ跡部景吾といえども違うことない。

こうなっては止まらない父を見て、侑士と長太郎はジローを連れて家を飛び出した。













「二時間くらいか?」ジローを抱えた侑士は長太郎に確認するように尋ねた。



「妥当なところかな」



「はぁ・・・・っ。休みの日くらい・・・家でゆっくりしたいわ」



毎度毎度の展開に



「また兄弟増えるかも・・・」



「げっ・・・」と弟の呟きに一瞬幽体離脱しそうになった侑士だった。













「はぁ・・・・っ。あれでごっついエライさんなんやろ?俺らの親父って・・・」



「うん。そうみたい・・・・だから大丈夫なんだろうね。兄弟増えても」

















「・・・・・お前・・・頼むからそっから話題離してくれへん?」



「え?どうして?」







『あぁ・・・こいつのこの天然系のたちの悪いボケは周似や・・・』

侑士は心の中で呟きながら



「小学生の言うことちゃうって」



「え?兄弟が増えるっていうのが?」



「いや・・・お前の場合はなんでそうなるかを分かっての上やん・・・」



「だってあれだけあからさまにされちゃうとね」











「あぁ・・・・そうですね・・・・はい・・・・もっともですな」









「今度は妹がいいなぁ〜」(遠い目)









「せやからやめって!!」















毎週、毎週、週末には、こんなことが繰り返される跡部家



公園から返ってきても待っているのは父だけで、

母は翌朝まで寝室からでることもできない状態で・・・・



週末の夕飯はきまって父の実家から出張してきたコックの料理を食べるのだった。







そして

明るい家族計画のもと、これ以上跡部家に家族が増えることはなかったとか・・・・















































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